日時:2012年2月25日(土)13:30〜15:30

場所:焼肉屋いちなん3階
   京都市左京区一乗寺大丸町51

ゲスト:伊藤 亮(いとう りょう)さん
    (京都大学野生動物研究センター) 

参加者:4名


=====

トカゲが鳴いているのを、聞いたことがありますか?

ない、と思う方が大半だと思いますが、実際、トカゲの多くは鳴きません。

しかし、聴覚が発達していることは知られています。
(トカゲの顔?をよく見ると、耳があるのがわかります)

鳴く動物の場合、仲間の声を聞くのに、聴覚が重要であることはすぐにわかりますが、仲間が鳴かないのであれば、トカゲは何を聞いているのでしょうか?
これまで、トカゲの聴覚の役割はよくわかっていませんでした。

鳴く動物は一般に、危険が迫ると、警戒声を発します。
それは、第一に同じ種の動物に危険を知らせるためですが、その声は、近くにいる他種の動物にも聞こえます。

別の言い方をすれば、他の種の動物が出した警戒声を盗み聞きして、それを自分の身を守るために利用する動物がいるのです。

たとえば、マダガスカルのある地域に住む2種のトカゲ(キュビエブキオトカゲ、ヒラオオビトカゲ)と1種の鳥(マダガスカルサンコウチョウ)は、猛禽やヘビを共通の捕食者とします。

このような場合、鳥が出す警戒声を鳴かないトカゲが利用すれば、効率よく捕食者を避けられるかもしれません。

そこで、これらのトカゲが、サンコウチョウの警戒声に反応するか、実験してみました。

サンコウチョウの警戒声と、比較のために「さえずり」を録音したものを、トカゲに聞かせたところ、
どちらのトカゲも、「警戒声」に強く反応することがわかりました。

つまり、これらのトカゲは、鳥の警戒声を盗聴することがわかりました。
他種の警戒声の盗聴は、トカゲ類に広くみられる行動かもしれません。

このように、一見、無関係な動物種間で、「盗聴」(情報認知)を介した非対称な種間関係というのが、動物には存在する可能性があります。

(AM)
=====