2011年11月

第7回「逆さまのクモの逆さまの網」(2011年11月26日)

第7回の予定がきまりました。

今回は、クモの巣の形のふしぎに迫ります。

みなさま、お誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。

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「逆さまのクモの逆さまの網」

日時:2011年11月26日(土)13:30 ~ 15:30
場所:焼肉屋いちなん3階
   京都市左京区一乗寺北大丸町51
   http://ichinan.com/?p=35#more-35
   
ゲスト:中田兼介(なかた けんすけ)さん(京都女子大学)

参加費:無料 (寄付歓迎)

コーヒーが出ます。

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報告:第6回「生物時計の話」(2011年10月29日)

日時:2011年10月29日(土)13:30 ~ 15:30

場所:焼肉屋いちなん 3階 
   京都市左京区一乗寺北大丸町51

ゲスト:沼田英治(ぬまた ひではる)さん
   (京都大学大学院理学研究科 )

参加者:5名

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今回のゲスト、沼田さんは、昆虫の季節適応の研究がご専門で、とくに光周性について研究してこられました。

光周性とは、生物が日長に反応する性質。
たとえば、沼田さんが研究していらしたホソヘリカメムシという昆虫では、日長が約13時間以下のときは成虫は休眠し、14時間になると100%の個体が休眠から覚めて繁殖を行います。

では、昆虫はなぜ日の長さがわかるのでしょうか?
それは、生物が「時計」をもっているからです。

これが「生物時計」で、いろいろな種類がありますが、最も一般的なのが

「概日リズム」(circadian rythm)といわれるものです。

これは、約24時間の周期をもつ生理的なリズムで、

明暗のない恒常条件下では自律的にこの周期(自由継続周期)をくり返しますが(自律振動性)、
明暗のサイクルなどの環境からの信号(同調因子)に同調します。
自由継続周期は、温度の影響をあまり受けません。

そのほかには、「概年リズム」(約1年の周期)や、「概潮汐リズム」(干満の周期)をもつ生物がいます。

さて、概日リズムにもどると、

キイロショウジョウバエという、遺伝子の研究に使われる昆虫で、分子レベルでのメカニズムが解明されています。

また、沼田さんらの実験で、さきほどのホソヘリカメムシでは、生物時計が故障すると季節感を失うことがわかりました。

人間にもこの概日リズムが存在します。

体温や運動能力、計算能力などが、昼は高く夜は低いことが知られ、
この傾向は徹夜をしてもほぼ維持されるようです。

明暗の変化などの環境の変化から隔離し、食事をつねに目前に置いて食事時間がわからないようにした「隔離実験」を行った結果、

人間にも「自由継続周期」が存在し、それは24時間よりも少し長いことがわかりました。

この「時計」は、波長の短い(青)強い光によって同調して、24時間に合わせています。
つまり、朝起きて強い光にあたることによって、時計をすすめて時刻を合わせているのです。

別の言い方をすれば、もし強い光にあたらないと、24時間より長い周期のままで、時計の時刻と体内のリズムがどんどんずれていくことになります。

人間の概日時計は、脳の「視交叉上核」という部位にあるとされ、
網膜で感じた光で時刻を合わせます。

飛行機で短時間で長距離を移動した場合の「時差ぼけ」は、体内のリズムと時刻の同調がうまく行われない結果、起こる現象です。
かつて、長距離を長時間かけて移動していたときには起こらなかった、「現代病」といえます。

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参加者からは、「自由継続周期(生物がもともと備えているメカニズム)などなくて、すべて環境に合わせて変動するほうがよいのではないか?」という質問が出されましたが、

沼田さんの答えは、「その2つのことを対立したものと考えること自体が理解できない。メカニズムがあるからこそ「合わせる」ことができるので、対立項として考えることは無意味だ」というものでした。

これは、現在の生物学の考え方では当たり前の答えなのですが、意外と知られていないのかな、という印象をもちました。

簡単にいえば、動物の行動のしくみ、ですが、このあたりの議論は、機会があったらぜひ取り上げたいと思います。

それに、生物の身体は、いろいろなしくみが絡み合って機能するものですから、「時計」だけを取り去って、他のしくみは元のまま、という状態は考えにくいです。別の言い方をすれば、外観も機能も同じだけれど時計だけが欠けている人間、というものは想像できません。

実際、「時計」の調節がうまくいかない人はいるそうですが、時計がない「時計欠損症」というような病気は知られていません。

沼田さんの見解では、時計の遺伝子または同じ染色体上のある遺伝子が致死遺伝子であって、時計が正常に発現しないような遺伝子型になる場合には、その個体は生まれてこないのではないか、ということでした。(ただし、これはあくまでも推測です)

(AM)












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